新吉洞に残る「軍人の街」の面影。海軍本部があった一帯から、住宅街の小さな祠、昔ながらの市場へ。高層ビルの街の隣で、もうひとつのソウルに出会います。
海軍本部があった、汝矣島の隣町
汝矣島(ヨイド)の近くに、軍と関わりの深い街があります。新吉洞(シンギルドン)です。新しいマンションが並ぶ一方、その間には低い家々や古い店が続いています。 ソウル地方兵務庁のある一帯は、かつて海軍本部の敷地として使われていた場所。今の看板からはわかりにくいですが、この街の過去を知ると、大通り沿いの風景にも少し違う意味が見えてきます。 近くには「空軍ホテル」の名前もあります。観光名所として造られた建物ではなく、街に残った施設の名前。新吉洞が「軍人の街」と紹介されるのは、こうした軍に関わる場所が集まっていたためです。

住宅街で見つける、小さな祠
大方(テバン)駅方面へ歩いた先には、もうひとつ、この土地の歴史を伝える場所があります。パンハッコッチ・プグンダン(방학곳지부군당)という祠です。 永登浦区の案内によると、ここは村の安寧を願って祀られてきた場所。軍に関わる大きな施設とは対照的に、地域の人々の祈りが残る、小さな場所です。 門の色や案内板を眺めるひとときも、この街歩きの見どころ。大通りだけでは気づきにくい場所が、住宅街の中にあります。

市場を抜けたら、町の食堂へ
デシン市場まで来ると、軍の施設とは違う、日々の暮らしが見えてきます。撮影したときの通路には、閉じた店と営業を続ける店が並んでいました。にぎやかさだけでは語れない、住宅街の市場です。 散歩の続きには、シゴルスンデという食堂も。紹介するピスンデは、豚の血を使ったスンデです。春雨が中心のスンデとは違う一皿が、肉やスープ、ご飯と一緒に並びます。 かつて海軍本部があった一帯、住民の祈りが残る祠、市場の先の食堂。新吉洞には、大きな観光地の名前だけでは見つけにくい場所が、ひとつの街の中に続いています。次のソウル旅行では、汝矣島の隣へも足をのばしてみませんか。

